法人税等の見込み納付とは?

法人税等の確定申告期限延長と見込納付

 こんにちは!市ヶ谷、九段下の税理士たちばなです。今日は法人税等の申告期限の延長と見込納付についてわかりやすく解説したいと思います。

 これまで大手企業の法人税申告も行ってきましたが、会計監査が必要な企業では法人税などの本来の確定申告期限である期末から2カ月以内に会社決算が確定しないという事態が発生します。このようなときに必要なのが「確定申告期限の延長」と「見込納付」です。

確定決算主義

 法人税の額は所得金額に税率を乗じて計算しますが、所得金額をどのように計算しているのかと言えば、一般に公正妥当な会計処理基準によって計算した利益の額(会社決算の利益の額)に税務調整(法人税で決められたルールに基づく調整)を加えて計算しています。

 言い換えれば、法人税の所得計算の基本的な部分はかなりの部分を企業会計のルールに依存しているため、会社決算が確定(定時総会での承認)しないと税額計算も完了できない仕組みになっており、これを「確定決算主義」といいます。

第二十二条 
4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする

法人税法22条第4項

 ところがこの確定決算主義で問題になるのが法人税の確定申告期限が原則として期末から2カ月以内とされているのに対して、確定申告期限までに株主総会等による決算の承認が間に合わないケースがあるということです。

 例えば3月末決算の株式会社で会計監査人による監査が必要なため、定時株主総会の開催が6月になる場合には、6月の定時株主総会で決算が承認されるまでは法人税等の確定申告もできないという事態に陥ります。

確定申告期限の延長

 このようなことから法人税等では期末から2カ月以内に定時総会が招集されない常況にある場合には、確定申告書の提出期限の延長を申請することができることになっています。

 例えば3末月決算の株式会社について確定申告書の提出期限が1カ月延長されて6月末になっている場合には、定時株主総会の開催が6月中であったとしても、延長された確定申告期限までには決算が確定するため確定申告ができるというわけです。

 ただし、ここで気を付けなければならないのが利子税(令和2年の利子税は年1.6%)の存在です。確定申告期限が延長されるということは延長後の確定申告期限までに確定申告と納税を済ませれば良いということではあるのですが、納税が延長されている期間については、利子に相当する利子税が課税されることになっています。

見込納付で利子税を回避

 昨今の低金利の影響で利子税の率も非常に低く抑えられてはいますが、それでも不要な税金の納付は避けたいものです。そこで一般的に行われているのが「見込納付」と言われる方法で、確定申告書の提出については延長後の期限に提出するものの、納税については期末から2カ月以内に済ませてしまうというものです。

 例えば3月末決算の株式会社で定時株主総会の開催が6月になるため、確定申告期限が1カ月延長されている場合であっても、納税については見込み額を5月末までに納付してしまい、その後、確定申告書は延長後の申告期限までに提出します。利子税は期末から2カ月以内に「納税」されないことに対する利息としての税金ですので、確定申告書の提出が6月末であったとしても、納税を5月末に済ませておけば避けられるというわけです。

 なお、5月末の見込納付額が6月の確定申告額と異なる場合には、その差額を追加納付又は還付請求することになります(追加納付額がある場合には追加納付額に対して利子税が課税されます)。

※この記事の内容は、公開時の法令等に基づくものです。公開の時期については、記事の冒頭でご確認ください。

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