こんにちは!浦安の税理士たちばなです。最近では利用者もかなり多くなっているクラウド会計のfreeeですが「freeeを使えば経理処理が自動化できるの?」なんてことを聞かれることもあります。そこで認定アドバイザーとして2年間freeeを使った経験からfreeeの「本当の実力」をお話したいと思います。
自動化は不可能です、、、でも
最初に結論を言ってしまいますが、freeeを導入したからといって残念ながら経理業務の自動化は不可能です。というのも、他の会計ソフトと同様にfreeeであっても最終的に作成するのは「複式簿記による帳簿」ですので、最低でも複式簿記の基礎が分かるレベル(日商簿記3級程度)の知識がないと正しく使うことが出来ないからです。
それどころかむしろインストール型の会計ソフトが複式簿記の基礎さえ理解していればある程度は感覚的に使えたのに対して、freeeは取引などを事前に設定をしておいて「手入力をできる限り減らす」というコンセプトの会計ソフトであるため、複式簿記の基礎だけではなくfreeeの仕組みもよく理解しておかないと正しく使えません。
その結果、freeeはインストール型の会計ソフトよりも利用のハードルが高く、基礎知識のない方がなんとなく使ってしまうとまるでいい加減な帳簿が出来上がってしまう危険性があります。
ただし、freeeは「初期設定」とその後の「メンテナンス」さえ正しくできていれば日々のデータ入力は複式簿記の知識がない方でも手軽に使える使用になっているため、簿記知識の乏しい方であっても、例えば会計事務所に初期設定とメンテナンスを担当してもらえば経理の自計化に挑戦することができると思います。
freeeを使った具体的な経理業務のイメージ
次にfreeeを使った具体的な経理業務のイメージですが、freeeはインターネットを通じてネットバンキングやクレジットカードなどから入出金データで入手し、さらに給与計算ソフトや請求ソフトのデータとも連携させることができるため、効率的に使えば手作業による入力を大幅に減少させることができます。
例えばクレジットカードから「Amazon 1,000円」という出金データが同期されてきたら「勘定科目」と「摘要」などを入力するだけで経理処理は完了しますし、電気料金のように毎月決まった入出金であれば事前に設定しておくことによって何もしないで自動的に経理処理をさせることもできます。
また、freeeはPOSレジや勤怠管理システムなど多くの外部システムとの連携も可能なため、複式簿記とfreeeの仕組みの両方を理解していればかなりの経理業務の効率化と正確化が図れるはずです。
freee利用のステップ
このようなfreeeですが本格的に導入するには「操作の慣れ」と「業務フローの見直し」が必要なため実際に少し触ってみてから使い勝手がよさそうならば徐々に利用の度合いを増やすのが良いと思います。
一つの例としてfreeeの利用度合いをステップ1~5に区分してみましたが、ステップ1はfreeeの機能をあまり使ってみずにインストール型の会計ソフトと同様に借方と貸方で一つ一つ入力してみる段階です。このステップはまずはfreeeを触ってみるという段階ですが、freeeが得意な会計事務所などのサポートが受けられる場合は省略してよいと思います。
次にステップ2~3はネットバンキングやクレジットカードなどの入出金データをfreeeと同期させて手入力を減らしていくステップです。このステップは自社の経理処理ルール(例:〇×銀行から「東京電力」という出金があった場合には、勘定科目「水道光熱費」、摘要「電気料金」を入力する)をどんどんfreeeに登録していく段階で、経理処理ルールを登録すれば登録するほど入力業務の効率化と正確化を図ることができます。
最後にステップ4~5では、請求書発行や経費精算などもfreeeの機能を使い、さらには在庫管理システムなどの外部システムとfreeeを連携させて、freeeが単なる会計ソフトから徐々にERP(統合基幹業務システム)に変わっていく段階です。このステップまでくれば業務が大幅に効率化されていて、またミスも発生しづらくなっていると感じるはずです。
freeeには手作業を減らすための工夫が随所にあるのが魅力てきなソフトですが、そのため逆に設定などがインストール型の会計ソフトよりも難しくなっています。それでも挑戦してみる価値が十分にあると思います。
千葉県浦安市で税理士事務所を開業。都内税理士事務所及び事業会社で国内税務、国際税務、財務会計、管理会計、経営企画などの業務に従事し、東京都千代田区で独立。令和4年5月千葉県浦安市に事務所を移転。創業、起業のサポートに尽力。
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