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税務調査って何?来たらどうする?

税務業務に携わっていると避けては通れないのが税務調査です。ある時突然、税務署や国税局から電話がかかってきて、税務申告の内容や帳簿書類等について調べられる、それが税務調査(実地調査)です。

税務調査が行われる確率

国税庁の発表資料 (「平成29事務年度法人税等の調査事 績の概 要」「平成29事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」)によれば、平成29年度(2017年度)の法人税の 申告件数は日本全体で289.6万件(うち黒字申告件数が99.0万件) 、一方実地調査の件数は9.8万件でした。

実地調査件数と申告件数(国税庁公表資料より)

2017年度に行われた税務調査はそれ以前に申告された分に対する調査なので、単純に同じ年度の実地調査件数と申告件数から実地調査割合を計算することはできないのですが、それでも一つの目安として計算してみたところ、法人税の申告に対して約3.4%(黒字申告に限れば約9.9%)の確率で税務調査が行われるようです。

法人全体で平均約30年に1回、 黒字法人に絞れば約10年に1回の頻度で税務調査があるようです。私たち税理士にとっては税務調査はそれほそ珍しいものではないのですが、企業の経営者や経理担当者の方にとっては、それほど経験するものではありませんので、税務調査があると言われたら「いったい何が起きたんだ?」と、少し驚いてしまうかもしれません。

税務調査と査察の違い

税務調査と聞くと少し古い映画ですが伊丹十三監督の『マルサの女』(1987年)を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。突然スーツを着た人たちがやってきて、令状を呈示すると会社や自宅にズカズカと入り込んできて捜索し始める。

しかし、このような調査は一般的な税務調査とは異なるもので、国税犯則取締法に基づく査察(強制調査)とよばれるものです。査察は悪質で金額の大きな脱税に対して行われるもので、通常関わることはないと思います。

これに対して広く一般的に行われている税務調査が任意調査で、納税者に質問をしたり、帳簿書類を検査すること等によって申告内容等をチェックしていきます。令状を持った国税職員がやって来て、強制的な捜索や差し押さえ等ということは任意調査では行われません。

東京築地に所在する東京国税局

税務調査は拒否できるのか?

では、任意調査だからと言って調査を拒否して良いのでしょうか?結論から言いますと、通常は拒否できません

これは国税通則法によって、国税職員には税金の調査のために必要があるときは、納税者等の関係者に質問したり、帳簿書類やその他の物件を検査したりすること等が認められているからです。これを国税職員の質問検査権といい、納税者が質問に対する答弁を拒否したり虚偽の答弁をした場合、又は検査を拒んだ場合等には1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。つまり、任意調査と言っても協力しないといけないわけです。

ただし、どうしても都合が悪いなど合理的な理由がある場合には、任意調査の時期を変更してもらえることもありますので、そのような場合には国税職員に相談してみる必要があります。

どのように対応すべきか?

実際に会社にやって来て実地調査を担当される国税職員を国税調査官といいますが、国税調査官にも様々なタイプの方がいらっしゃいます。コツコツと調べるタイプ、話上手でいろいろと聞き出すタイプ、税法に精通して理論的に思考するタイプ、ゴリゴリと力ずくで押してくるタイプ。

このように国税調査官にも様々なタイプがいるため、一概にどのように対応すれば良いとは言えないのですが、これまで税務調査に立ち会ってきた経験から考えると、税の専門家でない方の場合「質問された内容に正確に、そして簡潔に答える」ということが鉄則だと思います。

早く終わらせたいからといって曖昧なことを適当に答えてはいけません。まして、ちょっとマズイことを聞かれたからつい嘘をついてしまうなどは論外です。国税調査官は税務調査のプロですので、嘘や辻褄の合わないことには気が付くものです。そのようなことがあるとより詳しく調べられますし、何より国税調査官からの信頼を失います。

また、ときどき見かけるのが聞かれたこと以上にいろいろ話してしまうタイプの方です。もちろん何もやましいことが無いから饒舌になるのでしょうが、必要以上のことを話すと痛くもない腹を探られたり、無駄話から経理ミスが発覚するなんてこともありますので、聞かれたことに対してわかりやすく簡潔に答えることが上手な対応と言えるでしょう。

とはいえ、国税調査官も普通の人間です。嫌な顔をしたりせずに誠意を持って対応し、専門的なことについては税の専門家である税理士に任せることが何よりも大切だと思います。

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