株式会社と合同会社の違いを10のポイントから解説。設立するならどっちがおすすめ?

 こんにちは!浦安の税理士たちばなです。会社法の施行によって登場した合同会社ですが登場から既に14年を経過したこともあって、合同会社という名称を目にする機会もかなり増えたのではないでしょうか?アマゾンジャパンやアップルジャパンなど意外な会社が合同会社であったりましますが、株式会社と合同会社の違いを解説します。

税金や社会保険などに違いはない

 株式会社と合同会社の違いでまず気になるのが「税金」や「社会保険」の違いではないでしょうか?でもこの部分に違いはなく、税法では株式会社であっても合同会社であっても「普通法人」という同じカテゴリーに分類されて法人税の課税対象になりますし、社会保険についてもどちらも加入義務があります。また、株式会社の株主と合同会社の出資者はいずれも「有限責任」とされているため、この点でも両者に違いはありません。

株式会社をおすすめする場合

 それではどのような場合に株式会社をおすすめするのかと言えばまずは「法人名や代表者の役職が重要な場合」です。今では珍しくなくなった合同会社ですが、それでも知名度という点では株式会社には大きく劣りますし、株式会社の代表者が「代表取締役」であるのに対して、合同会社の代表者である「代表社員」は一般にはあまり馴染みがない名称ですので、すぐには会社の代表者と認知されない可能性もあります。

 「合同会社○○ 代表社員××」という名刺を渡して「合同会社?」「代表社員?」と思われてしまうようでは事業の足を引っ張る可能性もあるため、法人名や代表者の役職が重要な事業では株式会社をおすすめします。一方で例えば飲食店のように普段は店舗名(例えば「ラーメン〇〇軒」など)で事業を行っていて法人名や代表者の役職があまり重要ではないは合同会社でもよいと思います。

 また、株式会社は上場が可能ですが合同会社は上場できませんので「将来的には上場したい!」と*お考えの場合も株式会社をおすすめします。

合同会社をおすすめする場合

 一方で合同会社の魅力といえば何と言っても設立にかかる手間とコストを抑えられる点です。株式会社の設立では公証人による定款の認証(手数料5万円)が必要ですが合同会社であれば不要ですし、登録免許税も節約できます。もちろん合同会社であっても会社の実印を作成する費用や司法書士等の専門家に設立手続きを依頼するのあればそういった費用が発生しますが、株式会社と比較するとお手軽だと言えます。

 また、株式会社であれば官報、日刊新聞又はウェブサイトで決算公告(決算書を定款で定めた方法で開示すること)をする義務がありますが合同会社には決算公告の義務がありませんし、役員の任期もないため運営にかかる手間とコストも株式会社より抑えられます。

 したがって、積極的に「株式会社○○」といった法人名を出さない事業で、設立や運営にかかる手間とコストを抑えたい場合には合同会社の設立をおすすめします。

 株式会社から合同会社、または、合同会社から株式会社への組織変更は手間もコストもかかりますので事業の内容や将来の見通しなどを考えながら判断してください。

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