CFOと経理部長の違いとは?

 十数年くらい前からCEO(最高経営責任者)という肩書を持つ経営者の方が増え始めたように感じますが、最近ではCOO(最高執行責任者)やCFO(最高財務責任者)といった言葉も一般的になりつつあります。

 ところでCFOと言いますと最高財務責任者ですので「経理(財務)部長みたいな仕事かな?」と誤解されることも多いのですが、本来のCFOは経理(財務)部長とは似て非なるものます。これまで約16年間に渡って航空会社と製薬会社で業務に携わってきましたが、私の考えるCFOと経理(財務)部長との違いについて解説します。

CFOと経理部長の役割の違い

 「CFOとは何か?」といえば日本CFO協会によれば次のように「企業価値の向上」「財務管理を強化」「企業活動をマネジメント」といったキーワードを使って説明しており、これだけでも何やら普通の経理(財務)部長とは違いそうだと感じられると思います。

企業価値の向上を図ると共に、世界の基準に合わせた透明性を確保する財務管理力を強化し、さらには財務戦略を経営戦略に取りこみ企業活動をマネジメントしていくのがCFO(最高財務責任者)であり、これからの企業の勝敗を分ける重要な鍵を握っているのです。

日本CFO協会

 CFOは最高財務責任者という名前のとおり財務の最高責任者であることに違いはないのですが、資金調達や管理、経理、予算、内部統制などその守備範囲は幅広くなっていて、経理(財務)部長との決定的な違いは、企業価値向上を目指す経営陣の一人であってCEOとともに意思決定の中枢にいることだと思います。

 決められたタスクを実行する役割の経理(財務)部長に対して、CFOの役割はCEOを中心とした戦略立案や経営判断に関与し、財務面からそれらを分析し、計画に落とし込んでいく役割があります。したがって、CFOは単にお金の管理をするだけではなく、日頃からCEOを始めとする他の経営陣と密接に連携をしながら会社の舵取りをしなければなりません。

CFOと経理部長に求められる能力の違い

財務・経理の知識と経験

 CFOは最高財務責任者ですので財務や経理に知識は必須になってきます。したがって公認会計士や税理士、財務経理経験者、コンサル出身者などがCFOに就任するケースが多いと思いますが、経営陣の一人として経営に携わるのがCFOの役割ですので、企業会計や税法の非常に細かいマニアックな知識よりも、ポイントを抑えた大局的なものの見方の方が大切になってきます。

 経理(財務)部長であれば実務を率いる立場にあるため、時には非常に細かい専門知識が要求されることもありますが、CFOは細かな部分については社内又は社外の専門家を利用しつつ、経営判断をするために必要な知識を磨いておく必要があります。

ビジネスに精通していること

 財務や経理の仕事をしているとややもすれば会計基準や税法などの専門知識にばかりに精通して自社のビジネスについてはあまり知らないといったことにもなりかねません。実際に「自社と他社の主力製品の特長」などについて説明できない経理(財務)スタッフをたくさん見てきました。

 財務や経理の経験が長いとどうしても専門的な知識ばはりを追求したくなりますが、CFOは経営陣の一員として自社のビジネス(市場環境、戦略、商品やサービスの特性、他の経営陣、現場の状況など)を十分に理解した上で大局観に基づいた経営判断をするのが役割ですので、自社のビジネスにも十分に精通していないといけません。

コミュニケーション能力

 CFOは資金調達や計画の策定などのために会社の顔として社内外の人々と密接にコミュニケーションをとって信頼を獲得しなければなりません。したがって、CEOや他の経営陣、現場の社員、株主や金融機関などの関係者と円滑なコミュニケーションをとるための話しやすく信頼できる人柄が大切です。

まとめ

 CFOは財務の最高責任者であるものの専門知識だけではなくビジネスへの理解やコミュニケーション能力が必要とされる重要な役職です。「財務のプロ×ビジネスに精通×コミュニケーション=企業価値の向上」の役割を担うのがCFOの役割だと考えています。

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