ひとり親控除のポイント

ひとり親控除のポイント

 こんにちは!市ヶ谷、九段下の税理士たちばなです。今日は「ひとり親控除」についてわかりやすく解説をしたいと思います。

 ひとり親家庭の子供に対する公平な税制を実現するために、令和2年の税制改正では新たに所得税に「ひとり親控除」が設けられましたが、先日5月29日に国税庁より「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ」が公表されましたので、ひとり親控除の内容を簡単に解説したいと思います。

ひとり親控除とは?

 これまで配偶者と死別又は離婚し、一定の要件を満たす場合には寡婦(夫)控除として27万円(特別の寡婦に該当する場合は35万円)の所得控除がありましたが、婚姻歴のない一人親の場合には寡婦(夫)控除が適用されないといった不公平感がありました。

 そこで今回の税制改正では、新たに「ひとり親控除」が設けられ、令和2年分の所得税からは婚姻歴に関わらず全てのひとり親(※合計所得金額500万円以下の場合に限る)が、35万円のひとり親控除の対象になりました。
※ 合計所得金額500万円は会社員で給与以外に収入がない人の場合は年収約678万円に相当します

出典:財務省「令和2年度税制改正」(令和2年3月)

寡婦(夫)控除との関係

 ひとり親控除が設けられたことによって、これまでの寡婦(夫)控除もあわせて変更されました。主な変更点は次のとおりです。

改正のポイント
(1) ひとり親には「ひとり親控除」が適用され、「寡婦(夫)控除」は適用されない。
(2) 合計所得金額が500万円超の場合には「寡婦(夫)控除」「ひとり親控除」ともに適用されない。
(3) 事実婚にある場合には「寡婦(夫)控除」「ひとり親控除」ともに適用されない。

(補足)このフローチャートでは「寡夫」と「特別の寡婦」からの矢印の先には「事実婚無」だけの要件になっていますが、改正前の「寡夫」「特別の寡婦」は所得500万円以下でかつ同一生計の子がある場合に限られるため、結果として「同一生計の子あり」と「所得500万円以下」も要件になります。

令和2年の年末調整での手続き

 今回の改正は令和2年分の所得税から適用されますが、上記フローチャートの「年末調整時の申告」が必要になっている方は、年末調整を受ける際に「ひとり親に該当すること」又は「寡夫、特別の寡婦に該当しないこと」を申告する必要があります。

 なお、「令和2年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にはひとり親の欄がないため、例えば次のように「寡婦、特別の寡婦、寡夫」の欄を「ひとり親」に訂正するなどして申告します(今年10 月に国税庁から提供される「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」では「ひとり親」を選択できるよう改修されるようです)。

出典:国税庁「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ」(令和2年5月)

※この記事の内容は、公開時の法令等に基づくものです。公開の時期については、記事の冒頭でご確認ください。

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