新型コロナウイルス感染症の見舞金に対する税金

新型コロナウイルス感染症の見舞金に対する税金

 こんにちは!市ヶ谷、九段下の税理士たちばなです。今日は新型コロナウイルス感染症の見舞金に対する税金についてわかりやすく解説したいと思います。

 5月15日に国税庁より「新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金の所得税の取扱いについて(法令解釈通達)」が公表され、新型コロナウイルスに感染した社員等に見舞金を渡した場合の取り扱いが明かにされているため、その内容を解説したいと思います。

非課税になる見舞金

 社員や役員が会社から現金等の支給を受けた場合には、原則として所得税が課税されますが、所得税法では心身や資産の損害に対して支払われる相当の見舞金については非課税とされることになっています。

 ところが、一口に「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金」と言われてもなかなか判断が難しいため、今回の新型コロナウイルス感染症の見舞金についての解説として国税庁より出されたのが今回の通達です。

(非課税とされる保険金、損害賠償金等)
第三十条 法第九条第一項第十七号(非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。
(省略)
三 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金(第九十四条の規定に該当するものその他役務の対価たる性質を有するものを除く。)

所得税法施行令第30条

 今回の通達では、使用者から支給を受ける見舞金のうち、具体的に次の3つの要件を満たすものについては非課税になることが明確にされています。

各要件の詳しい内容

要件1:心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの

 「心身又は資産に加えられた損害につき支払いを受けるもの」というと、社員や役員自身が新型コロナウイルス感染症に感染した場合のみと思われるかもしれませんが、感染した親族に支給される見舞金や、医療体制の維持や国民の安定的な生活の確保などのために、緊急事態宣言下でも事業の継続が求められる事業に従事される方などに支給される見舞金も非課税所得の対象になります。

非課税の対象になる見舞金の例
・自身や親族が新型コロナウイルス感染症に感染したことによる見舞金
・緊急事態宣言下でも事業の継続が求められる使用者(※)の使用人等で、多数の人と接触が余儀なくされるなどのため感染リスクの高い、又は相当程度心身に負担がかかっていることによる見舞金
・新型コロナウイルス感染症によって資産を廃棄せざるを得なかったことによる見舞金
(※)新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(令和2年3月28日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)を参照

要件2:見舞金の支給額が社会通念上相当

 新型コロナウイルスの見舞金であれば、金額は自由に決めてもOKと言うわけではなく、慶弔規定等や過去の取扱いを勘案して、支給額が「社会通念上相当」でなければ非課税にはなりません。

社会通念上相当な見舞金かどうかの判断
次の事項を勘案して社会通念上相当な見舞金かどうかを判断します。
・支給額が新型コロナウイルス感染症に感染する可能性の高さや、実際に感染したかに応じた金額になっていて、慶弔規定などで明らかにされているかどうか
・支給額が過去の取扱いと照らして相当であるかどうか

要件3:役務の対価としての性質を有しないこと

 見舞金という名目であっても、実質的には給与や賞与に該当するものについては非課税にはなりません。具体的には次のようなものは非課税所得の対象にはなりません。

役務の対価としての性質を有するもの(所得税が課税されるもの)の例
・給与等を減額した上で、それに相当するものとして支給されるもの
・感染の可能性の高さや、感染の事実に関わらず一律に支給されるもの
・特定の使用人等に対してのみ支給されるもの
・支給額が通常の給与等の金額に応じて決定されるもの

 「新型コロナウイルスの見舞金を支給したけれども、後になった所得税が課税された…」ということがないように、それぞれの要件には注意するようにしてください。

※この記事の内容は、公開時の法令等に基づくものです。公開の時期については、記事の冒頭でご確認ください。

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