小規模な事業所でも事業所税が課税される場合

 こんにちは!市ヶ谷、九段下の税理士たちばなです。今日は小規模な事業所でも事業所税が課税される場合についてわかりやすく解説したいと思います。

 前日、ある大企業の子会社の「法人税」「消費税」「事業所税」の申告を行いました。この子会社自体は数十人規模の会社で、会社単体で判定すれば事業所税が課税される規模ではなかったのですが、小規模な事業所でも事業所税が課税される特例の「みなし共同事業」が適用されたために事業所税の申告が必要になりました。とういことで今回はみなし共同事業について解説したいと思います。

事業所税の概要と免税点

 事業所税という税目にあまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、事業所税は都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に充てることを目的として人口30万人以上の都市(東京都では23区、武蔵野市、三鷹市、八王子市、町田市)に事業所等を有する場合に課税される税金です。

 内容としては、これらの都市(東京23区ならば23区内)に有する事業所等の床面積が合計1,000㎡超の場合には資産割として床面積1㎡×600円、従業者数が合計100人超の場合には従業者割として従業者給与総額×0.25%の税額が課税されるものです。

 したがって「免税点」という言い方をしますが、資産割は床面積が1,000㎡以下、従業者割は従業者数が100人以下であれば事業所税は課税されません。なお「床面積は1,200㎡だけど、従業者数は80人」といった具合に、どちらか一方だけ免税点を超えた場合には、超えた方だけ課税されます。

みなし共同事業とは?

 ところがここで気を付けなければならないのが「みなし共同事業」と呼ばれるもので、その事業者の特殊関係者(子会社など)の事業が同一家屋で行われている場合には、特殊関係者の事業を共同事業とみなして、原則として特殊関係者の床面積や従業者数を含めて免税点の判定をすることになっています。

 例えば、あるビルに事業所を有していて床面積が700㎡、従業者が70人であれば(他に事業所等はないものとする)、本来、資本割と従業者割のいずれも課税されないはずなのですが、同じビルに子会社も入居していて、子会社の床面積が500㎡、従業者が50名であるとすると、子会社と合算して免税点を判定するため、資産割と従業者割のいずれも課税されることになります。なお、子会社と合算するのは免税点の判定だけで税額の計算は合算せずに別々に行います。

特殊関係者とは?

 では、どのよう関係者が特殊関係者になるかと言えば、法人であれば代表的なものとして自社の兄弟会社や子会社等が特殊関係者に該当します。ただし、正確な判定には税法の専門的な知識が必要になる部分がありますので、税理士等の専門家に相談するようにしてください。

 「事業所税」というあまり馴染みのない税目で、みなし共同事業という特例はちょっとした落とし穴になるかもしれません。事業所税の申告義務があることを見落としていて後日びっくりするということのないようにご注意ください。

※この記事の内容は、公開時の法令等に基づくものです。公開の時期については、記事の冒頭でご確認ください。

関連記事

  1. 免税事業者が有利とは限らない
  2. 特別法人事業税?
  3. グリーン車の通勤手当は非課税?
  4. 『在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ』が公表されました
  5. グローバル企業が気にする移転価格って?
  6. 法人税と所得税が二重に課税される怖いケース
  7. 減価償却費の落とし穴
  8. 適格請求書とは?

最近の記事

PAGE TOP