特別法人事業税?

特別法人事業税?

 こんにちは!市ヶ谷、九段下の税理士たちばなです。

 会社の利益にどのような税金が課税されるかご存知でしょうか?法人税が課税されるということは多くの方がご存じかもしれませんが、簿記の勉強をされたことがある方だと、事業税や住民税(道府県民税と市町村民税)も思いつかれるかもしれません。

法人税、事業税、住民税以外の税金

 ところが実際にはもう少し複雑で、私が税理士試験に合格した頃(2003年)は確かに会社の利益に対して課税される税金はこの三つだけだったのですが、その後、2004年に資本金が1億円を超える会社に外形標準課税(事業税の一部)が導入されて「少し複雑になったな」と思っていたら、2008年の地方法人特別税を皮切りに、復興特別法人税、地方法人税と次々と新しい税目が導入されていきました。そして、2019年10月に地方法人特別税の代わって新たに導入されたのが今回のタイトルでもある特別法人事業税です。これらをまとめると下図のようになります。

 思ったよりも多くの税目が出てきたのではないでしょうか?では新しい税目が増えているので会社の税負担も増えているのかと言えば実はその反対で、下図のように実効税率は一貫して下がり続けています。つまり税目の数は増えているけれども、それぞれの税率が下がっているのでトータルとして税負担は減ってきているというわけです。

全体の税負担は変わらない

 それで今回のタイトルにもなった特別法人事業税ですが、これは地方法人特別税の廃止に伴って2019年10月に開始される事業年度から新たに導入されたもので、特別法人事業税の導入には税額を都道府県に再分配することによって、都市部で多くの税収がある一方で地方では税収不足が発生するという税収の偏在を是正するという目的があります。

 では、特別法人事業税の導入によって会社の税負担はどうなるのかと言えば「事業税の税率+地方法人特別税の税率」(2019年9月まで)=「事業税の税率+特別法人事業税の税率」(2019年10月以降)となるように設計されているためトータルで考えればなんら影響がありません(同じタイミングで住民税と地方法人税の税率も変更されていますが、こちらも同様に合計した税率は変わりません)。

 具体的に東京23区に所在する会社の変更前と変更後の税率を比較してみると次のようになります

・資本金1億円超の会社(外形標準課税対象会社)の税率
 税率を足し上げた合計は変更前も変更後も31.78%になっており、事業税と特別法人事業税(地方法人特別税)が損金になることを考慮した実効税率も30.62%と変わりません。

・資本金1億円以下の会社の税率
 外形標準課税対象会社と同様に変更前と変更後の税率は合計すると同じになっています。

 結果として特別法人事業税が導入されても会社の税負担に影響がないということはお分かりになると思いますが、会社の利益に課税される税金がこれほど細分化されていることに少し驚きますね。

※この記事の内容は、公開時の法令等に基づくものです。公開の時期については、記事の冒頭でご確認ください。

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