社員旅行の税金

社員旅行の税金

 年内の仕事も全て終えて帰省されている方も多いのではないでしょうか。また年末年始は海外旅行で過ごす方もいらっしゃるかもしれません。「初日の出はハワイで見る」なんていいですね。

 ところで旅行と言えば、先日社員旅行の税金について質問されたので、会社が負担する海外旅行費用の税金について解説してみたいと思います。

社員旅行費用の3つの取り扱い

 社員旅行は社員のレクリエーションなので、「会社が負担する旅行費用は福利厚生費に決まっている」と思われる方も多いかもしれません。もちろん税法で福利厚生費として認められる場合もありますが、会社が負担した旅費が交際費として取り扱われたり、場合によっては役員や社員に対する給与として所得税や住民税が課税されることもあります。

福利厚生費にするためのポイント

 このように会社が負担する社員旅行の費用は「福利厚生費」「役員や社員への給与」「交際費」という3つの取り扱いがあるのですが、福利厚生費として認められて会社の節税に利用できればベストといえます。ではどのようにすれば福利厚生費として認められるかと言えば、原則として次の3つの要件を全て満たしている必要があります。

要件①:旅行期間が4泊5日以内
会社のレクリエーションとしては長過ぎる旅行の場合、福利厚生費とは認められませんので4泊5日以内であることが第1の要件です。なお、海外旅行の場合は機内泊を含めて4泊6日であっても、海外での滞在日数が4泊5日以内であればOKです。

要件②:全体の半数以上が参加
一部の役員や社員だけが参加する旅行は社員旅行とは言えません。したがって全体の半数以上(工場や支店などの職場単位の旅行の場合は、職場の半数以上)が参加していないといけません。

要件③:会社負担額が高額過ぎない
要件①と②を満たす場合であっても、会社負担額が通常の社員旅行の範疇を超えいる場合は福利厚生費とは認められません。具体的に一人当たりの会社負担額が何円以内ならば福利厚生費になるのかを明確にするのは難しいのですが、国税庁のQ&A(タックスアンサー)では「旅行費用25万円(うち会社負担10万円)」のケースについて「少額不追及の趣旨を満たす」と解説されていることなどから、一人あたり10万円程度がボーダーラインではないかと言われています。

参加しなかった役員や社員に金銭を支給する場合

 会社が負担した社員旅行の費用を福利厚生費にするための要件は原則として上記の3つなのですが、なかには業務上の理由などから残念ながら社員旅行に参加できない人もいるかもしれません。ところが、このように旅行に参加しなかった人に金銭を支給すると、給与として取り扱われて所得税や住民税が課税されます。

 特に自己都合によって不参加の人にまで金銭を支給してしまうと、金銭を受け取った人のみならず、旅行に参加して金銭を受け取っていない人までもが給与課税の対象になってしまうため注意が必要です。

実質的に社員旅行ではない場合

 ここまで「社員旅行」の会社負担額を福利厚生費にするための方法を解説してきましたが、名目上は社員旅行であったとしても取引先を招待した実質的な接待旅行である場合や、家族経営の会社で単なる家族旅行と認められる場合には、やはり福利厚生費とは認められずに交際費や給与として取り扱われることになります。なお、このようなケースでは判断が難しい場合もありますので税理士等の専門家に相談するようにしてください。

※この記事の内容は、公開時の法令等に基づくものです。公開の時期については、記事の冒頭でご確認ください。

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