中古減価償却資産の取り扱い

 税理士事務所を開業してまだ日が浅いのですが、交通の便を考えると「もう少しお客様がアクセスしやすい場所に移転したいな」などと考えている今日この頃です。

 しかし、本当に事務所を移転するとなると悩ましいのがコストです。引っ越し費用や事務所の保証金などの他に新たに備品の購入も必要です。「応接セットも欲しいな」など考えると予算内に収めるには中古の備品も候補にしないといけません。それより立派な応接セットが似合う事務所にすると家賃が…

固定資産は耐用年数で減価償却する

 ところで、会社が一定金額以上の減価償却資産を購入すると消耗品のように、使用開始した時に全額が損金(必要経費)にはなりません。建物や構築物、備品、車両などの減価償却資産はペンやノートなどとは違って、長期間にわたって使用されるものですので、減価償却資産として帳簿に計上した後、耐用年数にわたって減価償却費を損金にしていきます。

 このとき耐用年数については、新品の減価償却資産であれば税法で決められた法定耐用年数を使って減価償却費を計算すれば良いのですが、例えば既に50万キロ走行している中古トラックを購入した場合でも、「新品のトラックと同様に法定耐用年数の5年で減価償却費を計算しなさい」というのではどうなのかなと思うのではないでしょうか?

合理的な使用可能期間

 法定耐用年数は「新品」の耐用年数ですので、法人税法や所得税法でも中古減価償却資産の使用可能期間が法定耐用年数よりも短いだろうと考えていて、中古減価償却資産の使用可能期間を「合理的」に見積って減価償却費を計算することを認めています。

 ただし、この「合理的」という言葉、国税庁が大好きな言葉なのですが、納税者からするとなかなか曲者でして、 税務調査官から 「中古の応接セットの合理的な使用可能期間の算定根拠を提示してください」と言われても返答に窮してします。また、50万キロ走行している中古トラックの場合はどうでしょうか?説得力のある統計データでもあれば算出できるかもしれませんが一筋縄ではいかなそうです。

 ということで、税法では中古減価償却資産の合理的な使用可能期間を見積もることが難しい場合には、簡便な方法で耐用年数を決めることも認めています。

簡便法での耐用年数

 実務上、中古減価償却資産の使用可能期間を合理的に見積もることは困難なことが多いため、簡便法による耐用年数の算定はとても一般的に行われています。具体的には次のように、法定耐用年数の全てを経過しているか否かによって、2種類の計算方法が定められています。

 例えば法定耐用年数5年、経年年数(既に使用された期間)6年のトラックを購入した場合は、法定耐用年数の全てを経過しているため、「法定耐用年数5年×20%=1年。2年未満のため簡便法による耐用年数は2年」と計算するわけです。このとき、取得した中古減価償却資産の経過年数が分からなければ、年式や表示されている製作時期などから経過年数を見積る必要があります。

 なお、2,000万円で購入した建物を2,000万円かけてリフォームしたような場合には、そもそも「中古と言えるのか?」となってしまいますので、中古減価償却資産に資本的支出をした場合は特別な取り扱いがあります。

 ところで私の欲しいオフィス家具ですが、よく考えたらみんな消耗品で落とせる価格帯のものばかりだったので中古資産の減価償却は全然関係がありませんでした…

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