適用除外事業者とは?

 平成29年度の税制改正によって新たに「適用除外事業者」という事業者が定義され、今年4月1日以降に開始する事業年度から運用開始されていますが、いま一つ周知されていないように思うので簡単に解説します。

法人税は単一税率ではない?

 所得税が累進課税なことは多くの方がご存じだと思います。実際に所得税の税率は所得金額に応じて税率が5%~45%(住民税とあわせると15%~55%)の7段階に区分されていて、所得の多い人にはより多くの税を負担をしてもらう仕組みになっています。

 一方、法人税は単一税率だと言われていますが、厳密に言えば正しくはありません。所得税ほど大きな税率差はありませんが、やはり大企業であろうと中小零細企業であろうと全く同じ税率というわけにはいきませんので、中小零細企業の所得の一部には低い税率が適用されます。

 また、税率だけではなく、租税特別措置法では中小零細企業向けの優遇措置として「特別償却」や「特別税額控除」等が用意されており、大企業と中小零細企業とでは法人税の取り扱いが若干異なります。

中小零細企業とは?

 中小零細企業は大企業に比べて経営体力が弱いため、税制で一定の優遇措置を設けているのですが、大企業と中小零細企業をどのように区分するかが課題になります。

 この点について、日本の法人税では先ほどの税率のところのように、原則として資本金や出資金の金額で 中小零細企業と大企業を区分するのですが、それでは上手くいかないケースも出てきます。次のケース1とケース2をご覧ください。

(ケース1)有名大企業が設立した資本金1,000万円の子会社
(ケース2)利益100億円、
資本金1,000万円の 一族経営の会社

 ケース1もケース2も資本金が1,000万円ですので、資本金だけで区分した場合、中小零細企業に該当するわけですが、これらの会社は果たして税制の優遇措置が適用されるべき会社なのでしょうか?

 このようなケースについて、法人税ではケース1のような大企業の子会社は従来より中小零細企業の範囲から除外してたのですが、ケース2のような会社については中小企業として税制の優遇措置の適用を認めていました。

適用除外事業者

 そこで、今回新たに導入されたのが適用除外事業者でして、ケース2のような事業者については、中小零細企業の優遇措置の「適用除外」になるという意味があります (適用除外事業者の税率は従来15%だった部分が19%になっています。適用除外事業者でも引き続き適用可能な優遇措置もありますので具体的な取り扱いは税理士にご相談ください)。

 具体的には、次の算式のとおり、過去3年間の平均所得金額が15億円を超える事業が適用除外事業者になります。

 資本金が小さくても、大きな利益を得ている事業者には、大企業と同様の取り扱いをしようということですので、該当する会社はご注意ください。

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