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副業じゃダメ!?事業的規模とは?

 近年ではアフィリエイトやインターネットを使った商品販売など会社員の方でも気軽に始められる副業が増えてきたと思います。会社によっては副業を禁止しているところもあるようですが、私個人としては、ビジネス感覚を磨いたり、普段とは違った人たちとの交流ができるので、本業に支障を及ぼさない程度の副業であれば本業にもプラスになるのかなと思っています。

 ところで、私の周りにはそのような副業ではなく、副業として不動産賃貸をしている人たちがいました。とは言っても、多くの人はマンションを1室、または、2室所有して賃貸する程度だったのですが、中には高級マンションを10室以上を所有し、売買しながら賃貸経営している猛者もいました。その人曰く、「マンション価格は長期的には必ず下がる。だから短期的に下がりにくそうな物件を見つけて賃貸収入を得た後、値下がりする前に売り抜ける」のだとか。ほとんど不動産屋さんの発想ですね、恐れ入ります。

不動産所得の確定申告

 会社員に副業として不動産の賃貸収入があった場合には、原則として確定申告が必要です。ここで原則と言ったのは、会社員で年末調整の対象になった人の場合、給与以外の所得の合計が20万円以下であれば確定申告をしなくてもよいことになっているからです。とはいえ、不動産賃貸の場合は年間の儲けが20万円を超えることが多いと思いますので、その場合は確定申告が必要です。

 そして、不動産の賃貸収入の確定申告をするときに一つ大きなポイントになるのが、その不動産賃貸が事業的規模で行われているかどうかです。事業的規模とは少し聞きなれない表現かもしれませんが、端的に言ってしまえば、「不動産賃貸業と言えるほどの規模なのか、それとも副業の域を出ないのか」の違いです。そして、不動産賃貸が事業的規模であると認められると税金の計算でいくつか有利な取り扱いを受けることができます。

事業的規模である場合の有利な取り扱いとは?

 不動産の賃貸収入が事業的規模であると受けられる有利な取り扱いには主に (1)青色申告特別控除 、 (2)青色専従者給与又は白色専従者控除、 (3)損益通算、(4)欠損金の繰越控除と繰戻還付の4つがあります。

(1)青色申告特別控除
 青色申告を行っていることが条件ですが、事業的規模の場合は、最大で65万円の所得控除が受けられます。所得金額から最大65万円控除できるということは、最大65万円×税率分だけ所得税が少なくなるということです。

(2)青色専従者給与又は白色専従者控除
 所得税では同一生計の親族に給与を支給しても原則として必要経費にすることができませんが、事業的規模であれば一定のルールに従って必要経費にすることが可能です。もちろん勤務実態がないといけないのですが、勤務実態があるのであれば、親族に給与を支給して節税することもできます。

(3)損益通算
 副業で行っている不動産賃貸が万が一赤字になってしまった場合、事業的規模であれば不動産所得の赤字と給与所得を相殺できますが、事業的規模でない場合は相殺できません。事業的規模であれば、給与所得で納税していた所得税を還付してもらえるというわけです。

(4)繰越欠損金の繰越控除と繰戻還付
 不動産賃貸の赤字が大きすぎて損益通算しきれなかった場合、事業的規模であれば、青色申告をしていることが条件になりますが、赤字の金額を翌年以降に繰り越して翌年以降の不動産所得と相殺すること(繰越控除)や、前年に納めた所得税の還付を受けること(繰戻還付)ができます。

では、どうやって事業的規模かどうか判断するのか

 何をもって事業的規模であると判断するかは非常に悩ましいところですが、国税庁の通達によれば、一戸建ての場合はおおむね5棟以上、アパートなどの場合はおおむね10室以上であれば事業的規模と判断されます。これを「5棟10室基準」といいます。とはいえ、5棟10室基準はあくまでも一つの目安ですので、例えばマンション9室では絶対にダメというわけではありません。事業的規模になるのか判断が難しいなと感じましたら、税理士や所轄税務署に確認してみるようにしてください。

 ちなみに10室以上を副業で賃貸していた私の元同僚、事業的規模だったのですね。本人は不動産賃貸業が本業で会社の方が副業だと思っていたりして。

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