消費税増税の経過措置とは?

 2015年10月と2017年4月に2度の延期があった消費税率10%への増税ですが、いよいよ1カ月半後の10月1日に迫ってきました。国税庁が毎年発表している「民間給与実態統計調査」によれば平均給与は緩やかに増加しているようですが、総務省の発表している消費者物価指数も給与ほどではないものの緩やかな上昇基調にあるので、2%の増税はやはり家計にそれなりの負担があるのではないでしょうか。

国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査」より作成

 消費税率が10%になった後も、飲食料品や新聞には軽減税率が適用されるので影響がありませんが、それ以外で高額なもの、例えば自動車やブランド品などの購入を検討されている方は増税前に購入しておいた方が良いかもしれません。

消費税率等に関する経過措置とは?

 高価な買い物は9月30日までに済ませておこうとをお考えの方も多いかもしれませんが、それでは9月30日までに何を済ませておけば8%の税率が適用されるのでしょうか?

 お店で商品を購入するのであれば、9月30日までにお店に行って購入すればよいとわかるのですが、例えば注文住宅はどうでしょう?9月30日までに注文しておけば8%の税率が適用されるのでしょうか、それとも物件の引き渡しが完了していないといけないのでしょうか、はたまた支払いを済ませておかないといけないのでしょうか?また、10月1日から使用開始する事務所の家賃を9月30日に支払った場合はどうなるのでしょうか?

 消費税法の考え方では、原則として商品を引き渡した日やサービスを受けた日の税率が適用されますので、注文住宅の場合は9月30日までに引き渡しが完了していれば8% (不動産の場合は何をもって引き渡し完了と考えるかは、また悩ましい問題なのですが) 、事務所家賃の場合は10月1日以降の使用分は10%となります。ただし、一定の要件を満たす場合には10月1日以降に注文住宅の引き渡しを受けた場合でも、また10月1日以降の事務所家賃であっても8%の税率が適用されるという特例があります。これを消費税率等に関する経過措置といいます。

 具体的に注文住宅のケースで言いますと、 2019年3月31日までに契約が締結されている場合は、引き渡しが10月1日以降であっても8%の税率が適用されます。節税という観点からは今年の3月31日は重要な日だったわけです。

 また、事務所家賃では、 2019年3月31日までに契約が締結されていて、9月30日までに賃貸借が始まっている場合、その契約の期間内は全て8%の税率が適用されます。つまり、その契約期間内であれば10月1日以降の賃料であっても8%でよいわけです。

いまからでも間に合う経過措置を使った節税

 このように注文住宅や事務所家賃のように経過措置を使った節税には今年の3月31日までに何かをしておかないといけないものが多いのですが、今からでも間にあうものとして二つ紹介します。あまり大きな節税効果があるものではないのですが、ちょうど購入しようと思っていた方は経過措置を利用してみてください。

(1)乗車券や航空券

 新幹線の乗車券や航空券、JR・私鉄の定期券などは9月30日までに支払いを済ませておけば乗車日や搭乗日がいつであっても8%の税率が適用されます。したがって、10月以降に乗車または搭乗予定の場合はできるだけ9月30日までに支払いを済ませておいた方がお得です。

(2)テーマパークや博物館などの入場料

 テーマパークや博物館などの入場料も考え方は乗車券や航空券と同じで、入場日ではなく支払日によって適用される税率が決まります。したがって、10月以降にテーマパークや博物館などに行く予定がある場合は、9月30日までに支払いを済ませてはいかがでしょうか。

 いまからでも間にある経過措置を使った節税には金額的に大きなインパクトはないかもしれませんが、既に購入予定のある方にとっては、ちょっとだけお得感があるかもしれません。

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