青色申告って何?

 テレビを見ていると「○○の青色申告」というようなCMが放送されていたり、街を歩いていても「青色申告会」という看板を見かけることがあります。ただ、「青色申告って聞いたことがあるけれどいったい何なんだろう?」とか、事業をされている方でも「税理士に言われて青色申告の申請書を提出したけど詳しくは知らないな」なんてこともあるかもしれません。

実は歴史ある制度

 青色申告は戦後の日本の税制に大きな影響を与えたシャウプ勧告によって1950年に開始された制度でなかなか長い歴史があります。

 当時の日本はと言えば、一部の大企業を除いて正しく記帳するという慣習がなく、そもそも正しい税額を計算する上で問題があったそうです。そこで国民に記帳する慣習を根付かせ正しい税額計算ができるようにするために、納税者が帳簿書類を備え付けて申告する場合には、税制上の有利な特典を与えることにしました。これが青色申告です。

青色申告の特典(所得税)

 青色申告は個人(所得税)と法人(法人税)の両方にあるのですが、ここでは所得税での主な特典を紹介したいと思います。

 なお、所得税で青色申告ができるのは、不動産所得、事業所得又は山林所得がある場合ですので、例えば給与所得だけのサラリーマンが青色申告をして特典を受けようとしてもできません。

(1) 青色申告特別控除

 青色申告をしている事業者が、 次の3つの要件を満たす場合には最大65万円を所得金額から控除することができます。つまり、例えば税率が20%ならば65万円×20%=13万円の税額が少なくなるということです。
①不動産所得や事業所得が生じる事業を営んでいること
②複式簿記によって記帳していること
③貸借対照表や損益計算書を申告書に添付して期限内に申告していること

 ①から③の要件を満たさな場合は、不動産所得、事業所得、山林所得から最大10万円を控除することができます。

(2) 青色事業専従者給与

 青色申告をしている事業者が、その事業に専従する同一生計の親族(15歳以上)に給与を支払う場合、その給与額を必要経費にすることができます(ただし仕事内容から考えて給与が多すぎる場合は、適正な金額までしか必要経費にできません)

 ただし、この制度の適用を受けるためには事前に税務署長に届け出なといけないので、届け出を忘れないように注意しないといけません。 また、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族の対象にはなれません。

 一方、青色申告でない場合(「白色申告」といいます)は、専従者である配偶者に対して最大86万円、それ以外の専従者である親族(15歳以上)に対して最大50万円までしか必要経費にすることができませんので、青色申告と比べると不利な取り扱いになっています。

(3) 純損失の繰越控除と繰戻還付

 青色申告をしていて事業所得などが純損失(赤字)の場合は、損失額を翌年以降3年間繰り越して、翌年以降の所得から差し引くことができます。また、翌年以降に繰越しす代わりに前年に納付した所得税の還付を受けることも可能です。

 白色申告の場合は、原則として純損失の繰越しや繰戻しによる還付をすることができませんので、純損失が発生している場合は非常に不利と言えるでしょう。

結局青色申告を選択すべき?

 ここまで、青色申告の特典ばかりを紹介しましたが、青色申告ではこれらの特典を受ける代わりに帳簿書類を備え付けないといけません。

 この点については、青色申告のデメリットとも言えるかもしれませんが、白色申告でも2014年以降は一定の帳簿書類を保存しなければならなくなっていますので、実のところ青色申告でも白色申告でも事務手続きの手間に大きな違いはなくなっています

 したがって、「青色申告と白色申告、どちらを選択すべきですか?」と聞かれれば、青色申告の選択をお勧めします

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